おなかがすいたら登れない(旧)

ネコは空飛び、犬は登る

「秋葉大権現」、やっと4か月前のレベルに戻れた/クライミングメモ132(外28、北川17)

先々週、北川現地でご一緒して交互に「秋葉大権現」をトライした千葉のM井さんから連絡をいただいて、いっしょに北川へ。

いつもの西武線に乗り西吾野の駅で降りると、ひんやりした空気と、空の青の淡さとがあいまって、秋の訪れを感じさせる。
ハイカーも増えた。岩場に向かう道で、若い男女3人組が、初めてハイキングに来たような話をしながら足早に追い抜いていく。その様子がすごく楽しそうで、自分まで思わず笑みが浮かぶ。

昨日、今日と2日続けて秋晴れの空だが、一昨日は雨が降っており、昨日は結露が心配された。今日はさすがに乾いているだろうと予想したが、先週の結露敗退ショックのため、岩を見るまで多少疑心暗鬼になる。着いてみると岩の状態は良く、ほっとした。現地気温は昼くらいで20~21度。気温が20度を切るようになれば、本気トライシーズンだ。

いつものルートでアップしたあと、右横のスラブを登り「秋葉大権現」にヌンがけ。

1便目、左手の左斜めガバまではまあスムーズ。だが、やはり右手が取れない。テンテンでトップアウト。6ピン目を掛けた後の乗り越しのあたりを忘れていて、フォールして、前腕をすりむいた。

2便目、左手斜めガバあと、右手ホールドに届く、がかかりが浅くて落ちる。ビレイがややたるみ気味だったため、背中を地面の岩で擦りむいた。頭をぶつけなくてよかったが、危ないところだった。ここは張り気味にビレイをしていないと危険だ。
少し休んで、気を取り直して登り直す。すると今度は、スタートから右手までつながり、ついに2ピン目がクリップできた。
そのまま3ピン目もクリップして、レストポイント。だが、心の準備ができておらず、焦りがあった。足を見失って、U字カチに手が出せず、あえなくテンション。これは情けない。あとでNさんから、「あそこはせめて、手を出してフォールしないと」と言われたが、まったくその通りだと思う。反省。
しばしレストしたあとそこから登り直したら、上まで行けたので、1テン、ということになる。

思えば、6月の初旬、まぐれなのかもしれないが、一度はこのワンテンの状態になったのだ。
ところがその後、2ピン目までがまったく繋がらなくなり、無駄にトライを繰り返して、4か月も経ってしまった。今回のトライで、ようやく4か月前の地点まで戻れたということになる。そう考えると、トホホ……ではある。

3便目、もしかしたらこの便でRP、と思うと、緊張で固くなる。力みすぎたのか、あるいはすでにヨレたのか、体が伸びず、下部で落ちる。件の右手取りだけ練習するが、そこだけやってもできない。すぐ降りる。

4便目、時間から言っても回収便。同じく下部で落ちる。回収なので時間をかけたくないから、木で2ピン目をクリップしてから、核心をやったら、今度は右手が届いた。
やはりポイントになるのは、左足だ。左足がうまく壁を蹴れると、右手が伸びる。これは前からわかっていたのだけど、まったく見えないところを勘で蹴るから、上手く蹴れるかどうかは「確率の問題」になる。ということは、足を開く角度などを覚えておいて、確率を上げるしかない。

17時前に撤収。1732の電車に乗れた。19時前に池袋に着き、西武デパートの地下で割引で半額くらいになっていた穴子弁当を買って帰った。とても美味しかった。

ちなみに、M井さんは強くて、前回、ほぼ初めてのトライで、自分には核心になっている下部をオリジナルムーブであっという間に解決して、簡単に超えてしまい、4クリップ目あたりの第2核心で落ちたのみ。
そして今日、4クリップもこなし、その後で2回落ちたものの、3トライ目で見事にRP。たった2日で秋葉大権現を落としてしまうとは、さすがの実力である。さらに、「るんるんヒロシ君」も、初見でテンテンながら、トップアウト。スタミナがすごい。強い人は違うねえ。


●秋葉大権現6ピン目の後のラインについて

この秋葉大権現の6ピン目の後の乗り越しだが、カンテの右側に回り込むと顕著に簡単になる。
だが、ここはV字状になっている部分をまっすぐに乗り越すのが、初登者・野口俊文氏の設定である。ルートの発表時のコメントには次のようにある。
「出口は凹角気味の所を乗っ越す。右のカンテに回りこむとやさしくなるが、あくまで乗っ越す」(『岩と雪』132号、p59)。
わざわざ、「あくまで乗っ越す」と書いているところに、初登者の強いこだわりがうかがえる。

ところが、こういう大切な情報が『日本100岩場』ではまったく触れられていない。困ったことである。いつも書いているのでまたかと思われる方もいると思うが、紙の本では物理的に掲載量に限界があるから、何でもかんでも書けないという事情はわかる。では、なんのための「climbing-net」なのか? ”なんとか女子”などという、本当にくだらない記事を書くひまがあるなら、専門サイトとしてやらなければならない大切なことはいくらでもあるはずだが。

そして、さらに困ったことには、Youtubeなどで、初登者の設定無視で、右から周りこんで登っている動画が、とくになんのコメントもなしに公開されていること。
ネットでそういうラインが公開されてしまうと、それでいいとか、それが正しいと思ってしまう人も増えるだろう。

もっとも、トポに初登情報が書かれていなくても、次のボルトが左上にあるのだし、ロープの流れも悪くなるから、普通のリードクライマーの感覚なら、カンテの右に回りこむのは、明らかに「逃げすぎ」だと感じるはずだ。

初登者の設定を知っていても、あるいは逃げすぎだと思っても、「逃げすぎだけど、核心じゃないところだからそれでいい」と考えて、「よし」とする人もいるだろう。あるいは、単にこっちの方が簡単だからと、何も考えず、感じずに、そちらに行く人もいるだろう。

いつも書いているように、クライミングは自己満足の遊びであり、自分のために登るのだから、初登の設定を無視しようと、外れたラインで登ろうと、自分が満足できるならそれでよい。

しかし自分はそのことを知っている以上、知らないふりをしたり、簡単な方向に逃げて満足することはできない。クライミングは自己満足の遊びだからこそ、ささいとも思えることにこだわらないと、とてもつまらなくなる。
そういうこだわりを持たないなら、クライミングは単なる「岩を使った体操」になってしまうだろう。体操なら、ジムでやれば十分だ。


●天候、服装メモ
家から、半Tにバーブライト。午後に陽があたってくると、Tシャツでも暑く、タンクトップになった。レストで寝る時はWBを着て、蚊よけにもなってちょうどいい。
10月だいうのに、まだ蚊は飛んでいる。少し刺された。
以前は朝の電車に乗る前に、西武池袋駅ホームのコンビニで、ファミチキか、コロッケを買って、電車で食べていた。ところが、最近揚げ物が売っていない。朝に油物を食べないと、どうも力がでない気がする。困った。
[PR]
by seeyou44 | 2015-10-05 20:21 | 外岩クライミング


<< 仕掛品がどんどん増えていく/ク... オレンジ12c展望開ける/クラ... >>