おなかがすいたら登れない(旧)

ネコは空飛び、犬は登る

「錦ヶ浦」上部のライン取りについて

北川、「錦ヶ浦」の上部、ルーフの乗り越しから終了点までのライン取りについての疑問点をメモしてみた。

【注意】この記事では、「錦ヶ浦」のホールド、ムーブに関する記載があります。オンサイトトライを目指される方など、ホールド、ムーブに関する情報を知りたくない方は、以下の記述は読まないようにご注意ください。

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このルートでは、写真のように三角形に突き出したルーフを、越えて行く上部が核心だ(下部も難しいが)。ここで、疑問となるのが「どこまで“頂点付近”のラインを越えなければならないのか」である。
言い換えると、頂点の右辺はどの程度使ってもいいのだろうか?ということである。
(頂点から左の辺を乗り越すこともできるかもしれないが、終了点が右面にあり、また、チェーン付きの支点が右辺に設置されているので、左辺を越えることは通常考えられない。)

『100岩場』にも「ハングのトップを抜ける直上ライン」と書いてあるし、人に聞いてもなるべく頂点を超えたい、と言われる。人のブログを見ても、次のような記載がある。

http://blog.goo.ne.jp/timeslipper/e/dc1275f8022c3280b7f80940bfd8a159
「ハッキリとした限定はないようだが、何かの本に(確か過去の「R&S」に)「できるだけ突先に近いところを乗っ越す」と書いてあった。」

http://chibi-climber.blog.so-net.ne.jp/2007-10-22
「問題の乗っ越しは”師門”の方へ逃げたくなるが、頑張って一気に遠くのホールドを取りに行き、何とかせり上がる事ができた。」

このように言われると、乗り越しは、下のピンクのラインのようなイメージではないかと思われる。しかし、実際にはどうも緑のラインのような感じで抜けている人も、多いようだ。

ルーフを下から見たところ
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ルーフを上から見たイメージ
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右面の支点から50~60センチくらい上には、いくつかのガバ(図の「ガバ地帯」)がある。それを取ってしまえばほとんど終了なのだが、ルーフ下のガバから、そのガバ地帯に至るラインである。

先日の2便目では、支点の「左のチェーンあたりにある穴カチ」から、ずっと右上の「遠い穴ガバ」を取った。そして右足をリップのすぐ下あたりに乗り込んでガバ地帯に、というムーブ。
先日は、このルートを以前に登っているという錦糸町常連の某氏がいて、ラインについて尋ねたところ、わざわざ見本を見せてくれた(ありがとうございました)。すると、たぶん自分と同じようなライン取りだった。チェーン横のカチを左手で取り(これは下から見てもわかる)、右手は見えないのでわからなかったが、たぶん同じ「遠い穴ガバ」だと思う。

おそらく、自然に登ると(岩の弱点をついていくと)こんなラインになる。また、終了点と支点の位置から考えても、これでもいいのかとも思う。(もっとも、リップの支点については、後からロワーダウン用に打ち足されたもので、オリジナルな支点ではないので、その位置は参考にはならない。そもそも登るときに使っていいものかどうかも不明)。

また、Youtubeにアップされている動画や、ブログの写真などを見ると、チェーン横の穴カチさえ使わず、いきなり右辺から抜けてるように見えるものがある。さすがにそれはちょっと、、、と思うのだが、それに比べれば、穴カチから右手を出すムーブは、まだ「頂点寄り」であることは間違いない。そう考えると、これでいいのかな、という気持ちも、半分くらいはあるのだ。

しかし、そうは言っても、このライン取りだと、遠い穴ガバがけっこう右に離れているのと、身体の中心がずっと頂点より右にある(だいたい緑の矢印の感じ)ことが気になる。
せっかくルーフを越える攻撃的なルートなのに、肝心の乗り越しで「右に逃げている」感じがする。どうせなら、頂点をダイレクトに乗り越えた方が、かっこいいのではないだろうか?

実は、頂点の上辺(凸角)より左にも、甘いのだが、ホールドがある(図の「凸角より左の悪いカチ」)。
このホールド(でなくてもいいのかもしれないが)を使うと、ピンクのラインくらいの、かなり頂点沿いに登れることになる。
実際、先日、garuさんは、このホールドを使って、ほぼ頂点沿いに体を上げて登っていた。そのときは、自分はまだ錦ヶ浦にトライをしていなかったが、garuさんにルートのことを聞かれて、「頂点沿いを登らないとダメみたいですよ」と伝え、彼はだいぶ苦労してそう登ったのだ。

もちろん、右しかラインが取れないのであればそれでいいのだが、実際に頂点沿いに登っているのを目の前で見ているので、どうしても気になる。
それで、自分も左の悪いカチを使ったムーブを作ろうと思ったが、できなかった。そこだけやっても、右から行くのに較べてかなり厳しい感じだったので、下からつなげて登るとなると絶望的かもしれない。

もっとも、「12c」というグレードなのだからそれくらい難しいのが当然、ということなのかもしれない。なにしろ、自分は12cというグレードを(まともな12bも)登ったことがないので、判断ができない。もう少し、ラインを探ってみるつもりだが、ピンクのラインで行こうと思うと、今の実力では登れない気がする。

「ライン取りのカッコよさ」というのは、些細なことかもしれないし、どうでもいいといえばどうでもいい、自己満足的な話かもしれない。
「どっちでも、自分が登りやすいところを登ればいいじゃん」というのは、一理あるが、フリークライミングとはそもそも、そういうところにこだわる遊びだと思っている。

「登り切ること」(頂上に達すること)自体を目的にするのではなく、「どのように登るのか」を厳しく問うことから、「フリー」という概念が生まれたことを忘れてはいけない。

この乗り越しのライン取り、ホールド、ムーブについて、ご存知の方はぜひ教えてください!
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by seeyou44 | 2015-04-20 08:45 | クライミング研究


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