おなかがすいたら登れない(旧)

ネコは空飛び、犬は登る

阿武隈川水系・白水沢左俣左沢/沢登り

先の土日に沢登りに行ってきた。
毎年の春から初夏にかけて「お気楽山菜キャンプ」を楽しんでる無所属ハグレ探検隊仲間(私とKJ氏、K山氏)と、ちと遅くなりはしたが、今年もどこかに行こうと計画していた。
以前はKJ氏の車を出してもらうことが多かったが、彼が車を手放してしまい、K山氏も私も車を持ってないので(私は免許も持っていない)、さてどうしたものか、電車・バスで行けるところはあるか? はたまたレンタカーか?と相談していたところ、KJ氏の知り合いのNさんが参加し、車も出してくれることになった。
公共交通機関やタクシーの利用は手軽と言えば手軽だが、費用は高くつく。1台の車で、4人で行くのは一番交通費が安く済むパターンなので、貧乏な自分にはありがたい。
Nさんは、某山岳会に所属し、登山、沢、アイスクライミングとこなす本格派の岳人(フリークライミングはあまりやらないようだが)。彼女の提案もあり、例年のお気楽山菜キャンプとは少々趣を変えて、本格的な沢登りをすることとなった。

目的地は、阿武隈川水系・白水沢左俣左沢。日帰りの沢なので、土曜の朝から入り、適当なところで山菜宴会キャンプ、そして翌日は近くの茶臼山などに登りたい人は登り、甲子温泉で汗を流してから帰京という計画。

自分自身は去年は沢に行っておらず、2年ぶりの沢登りになるので、張り切っていた。
遡行グレードは初級ということなので、行く前に「高巻禁止・全滝オール直登でいこう」というメールを全員に送っておく(迷惑なヤツ)。

甲子温泉・大黒湯の近くに車を停め、キャンプ用具は車にデポして、行動食や登攀具だけをサブザックに入れて行動開始。

「オール直登」と言った手前、すぐに出てくるF1だったか、F2だったかで、滝壺でへつって滝の直下まで行きそこから登ろうとしたが、これは失敗。水から出れない。。。水流沿いとはいかないが、巻きじゃないよね、と自分に言い聞かせつつ、戻って左から登り直す。
たぶん、ここで右のラインを選ぶ人は、真夏でもそういないだろう。下界はずいぶん暑かったらしいが、高度1000m付近なのでそれなりに涼しいし、上部には雪渓がたくさん残っており、水はまだ冷たい。これに懲りて、その後は水に浸かるのはやめた。
F3が、観光名所にもなっているらしい、衣紋滝2段12m。やや左に逃げて、ここも水流沿いとはいかないが、一応巻かずに直登。
その後も、登れる滝がどんどん出てきて、クライマー的にはなかなか面白いよ!
登攀自体は難しいところはなく、フリーのグレードで言うと、せいぜい5.7~5.8くらい。もちろん、沢だから基本的に濡れているし、浮石も多いので油断はできないが、まあ、難しいとか怖いというところはない。
ただ、残置ハーケンなどはあまり見当たらないので(全滝を通して、残置は1か所しか見つからなかった)、トップは基本ノーロープ(フリーソロ)で登ることになる。10m以上の高さになると、落ちたらただでは済まないだろうから、登りに自信がなければ巻いた方がいい。
(なお、遡行図は、下記サイトのものを参考にさせてもらった。謝して記します。
http://blogs.yahoo.co.jp/well_ksandw/5828288.html

予定(?)通り全滝直登かと思ったが、最後の方の「F8・5段12m」は、大きな雪渓のため滝の基部にとりつけなかった。雪渓の上からのトラバースを試みたが、岩壁がグズグズで悪いし、最後の方なので疲れていたこともあって、ここだけは巻いた。はっきりした巻道もないので、草付きを直登。
最後は、小悪い小スラブ地帯を抜け、10分くらいの藪漕ぎをして登山道へ出る。
下山は1時間程度。沢の下山としてはだいぶ楽な方だろうが、なまっている脚にはけっこうこたえた。下山靴を忘れて沢靴でそのまま歩いたせいか、あるいはそれは関係ないか、故障(前十字靭帯損傷)している右膝には、若干の痛みをずっと感じていた。やっぱりこの膝では、本格的な登山をするには、懸念がある。

沢は詳しくないので、他との比較はあまり言えないが、日帰りの小さい沢ながら、上流まで登れる(登攀的に面白い)滝が続いて、とても楽しめた。
渓相や釜の色もとても美しいので、もっと暑くて泳げる時期にきたら、さらに気分がいいだろう。

車に戻ったときはもう大黒湯の日帰り入浴時間は過ぎていたので、そのまま車で移動し適当なテンバを探して、夜はお決まりの焚火宴会。23時くらいまで飲んでいただろうか?
沢のときは、いつもテントは持たない。ブルーシートでの半露出野営(ホームレススタイル)にしている。
ちょっと寒くて、夜中に何度か目が覚めた。連日寝不足だったので、8時過ぎまで眠る。何度も目が覚めたとはいえ、8時間以上寝た。
オヤジ3人がだらだらと惰眠を貪っている間に、Nさんは4時くらいに起きて、さっさと茶臼岳を登り、9時過ぎには戻ってきた。まじめな岳人である。

撤収をして、大黒湯へ。立ち寄り温泉は、朝10時に始まるところを、10時ちょっと前に着いたが、入れてくれた。
ここの風呂は2つあって、1つは平地というか、1階にある。近代的な給湯設備が設えられており、石鹸やシャンプーも備えられている。緑に囲まれた露天風呂もある。
もうひとつは、こちらがもともとの風呂だと思うが、長い階段を下った先の谷底にある古い建物。下の風呂は、かけ流しの温泉をそのまま川に流しているため、石鹸・シャンプーが禁止。混浴となっているが、そのとなりに女湯が(たぶん後からできたのであろう)あり、女性は皆そちらに入っていた。
最初に上の風呂で体を洗い、汚れを落としてから、一度服を着て廊下を歩いて下の風呂に行く。
上の風呂も、下の風呂もぜいたくな源泉掛け流し。大変良いお湯だが、とくに下がとても良かった。30坪ほどはあろうかという大きな建物に、わずかな蛍光灯とランプで灯りをとっただけの屋内は薄暗く、古い湯治場の雰囲気が残っており、大変風情がある。湯温も、下の湯の方がややぬるく、ゆっくりと入っていられる。
ぬるいお湯にゆっくりつかるのが好きな自分は、かなりゆっくりつかって、他の人をだいぶ待たせてしまったが、時間があればもっとつかっていたかった。

上りの高速はまったく渋滞無しで、途中のPAで食事をしたが、それでも巣に戻ったのは3時前だった。
さすがに疲れていて、2時間くらい昼寝。そして、夜は江戸川橋へ。
朝に温泉入ったのに、また汗をかいた。あまり登れなかったが、満足。

●装備メモ
東京の予想最高気温は33度。真夏並み。
行動中はモンベルの沢ジャケット(長袖)に、ゴアカッパ上。下はモンベル沢タイツに、7分丈パンツ。すね当て、フェルト沢靴。グローブは着けたり外したり(登るときは外す)。ヘルメットは、シロッコにしようかどうか迷ったが、もったいない気がして、昔から持ってるBDの重いやつにした。
他のメンバーは、みなずっと半Tで行動していた。自分は特に寒がりなのかなあ? あるいは、朝一のドボンで体が冷えたか。ほとんどずっとカッパは着たままだった。

●ヒヤリメモ
F3で、自分とNさんは滝を直登。KJ氏とK氏は巻くことにした。ところが、巻いた2人がなかなか降りてこない。大高巻になって、ずっと先まで行ってしまったかと、先の方に見にいってもおらず、戻ってきてもおらず、だいぶ行ったり来たりしてしまった。結局、途中で悪いところがあって進めずに元の所に戻ってきたのだが、どうなることかと思った。
・教訓1:ロープを持っていれば、最悪、懸垂で沢に降りられる。高巻きをするなら、ロープは必須(当然、懸垂の知識、経験があることが前提だが)。
・教訓2:パーティが別れると状況が分からなくなったときに困る。別れるなら、無線機がほしい。

●放射能メモ
大黒屋近くの道端には、「魚釣り禁止」の看板が。。。もちろん、原発事故による放射能のためである。
そして駐車場の隣には、放射能測定器と送信アンテナのセットが。
沢の水は気にせず飲んでいたが、キノコなども、たぶん食べない方がいいだろう。コシアブラ、ウド、ウルイなどの山菜もけっこうたくさん見られ、採取している人もいたが、結局(自分は)食べることはなかった(記憶ではだれも食べてなかったようなのだが、単に、酔っぱらって食べるのを忘れていただけか?)。

原発だけは、本当にやめにしてほしい!

甲子温泉近くの駐車場で着替える。
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駐車場の脇にはこんな装置が。ドコモのアンテナがあるから、データを送信してるのかな。
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現在の放射線量。0.089マイクロシーベルト。東京のおよそ2倍程度らしい。
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F1かF2の滝壺。泳いで滝の直下までいくも敗退。寒かった。
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F3。水流から少し離れた中央に小さく2人が見える。高度はあるが、弱点が顕著なので登るのは簡単。
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Nさん。こんな感じの登れる滝が連続する。
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水が綺麗で気持ちいい。
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KJ氏
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K山氏。上から撮ると高度感がある。
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F8、5段12m(奥に細く見える)の手前。上部にはかなり雪渓が残っている。滝の基部には取り付けず。
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最後の藪漕ぎは10分くらい。
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by seeyou44 | 2014-06-04 11:29 | 山行


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