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おなかがすいたら登れない(旧)

ネコは空飛び、犬は登る

クライミングメモ117(外16、小川山1)暑い小川山でスラブ修行

1年ぶりに小川山クライミング。
外岩自体、GWの二子以来で、3ヵ月ぶりだ。すっかりプラスチッククライマーと化している自分が、花崗岩スラブでどこまで通用するのか?

●1日目
S木氏、O氏、M君と自分の4名が阿佐ヶ谷に集合。
1台4人、というのはもっとも効率がいい。交通費も安く上がるし、2・2でペアになってそれぞれ登れるから、クライミングもやりやすい。
阿佐ヶ谷発が6時半くらいで、中央道の渋滞はほぼ皆無。のんびり行って、9時過ぎにはナナーズに着いた。
買い物を済ませて、廻り目平キャンプ場へ。下のキャンプ場のすぐ横に車が停められてラッキーだった。
今回は、S木氏所有の大きなタープとテントを借り、自分とM君はそこで寝る予定。O氏は自前テント、そしてS木氏自身は車中泊。テントを持参せずに楽をさせてもらい、有難い。
まずタープとテントを設営したが、とにかく暑い! 天気がいいのは良いのだが、日向でジリジリと陽に焼かれながらちょっと動くと、汗が噴出してくる。日陰に逃げるとさすがに涼しくて、東京とはまったく空気感が違うが、この暑さは自分の記憶の小川山とは、どうも違う感じがする。やっぱり異常高温なのだろうか?
この時期は、下のキャンプ場より奥の林にテント設営をした方がいいかもしれないと思ったが、昼間はテントにいるわけではなく、また、日が当たらないといろいろなものが乾かないので、総合的には、やっぱりこっちの方がいいのかも。



いつものごとく、前日は2時間睡眠。昨日から喉が痛くて軽い風邪気味なこともあって、体調は最悪。さらにこの暑さで、テンションが下がる一方。このままビールでも飲んで昼寝したら、さぞ気持ちいいだろうなあと思いつつ、とりあえず岩場に向かう。

本日は、マラ岩。M君が宿題としているレギュラーをトライしたいというし、自分もイレギュラーが宿題になっている。スラブをやりたい、というS木氏にも、下部にスラブがあるのでちょうどいい。
マラ岩の下部には、江戸川橋の顔見知りのM井氏グループがおり、そして、カサブランカの前で、スラブ(株)のタマさんに久しぶりに遭遇。カサブランカに、OSトライをするところだという。健闘を祈り、マラ岩上部に向かう。
なおその後、タマさんは見事に、カサブランカをOSしたとこのこと。すごい!自分はクラックは5.7でも登れる気がしないが、タマさん、10aのクラックをOSとは、かなり実力を上げたようだ。。。

レギュラーにはヌンチャクがかかっており、それを借りて登ったM君が見事にRP。前回2便で、今回1撃、通算3便ということだから、立派だ。
ついでに自分もヌンチャクを借りてトライ。以前に登っているが、2年前だから、ホールドは完全に忘れている。先ほどのM君のトライを見ていた上に、さらにビレイヤーのM君にホールドを聞きながらで、なんとか登れた。ホールドを教えてもらわなかったら、落ちてたかも。。。
なお、最後は左からカンテに出たが、以前RPしたときの記録を読み返したら、直上したらしい。左からカンテに逃げた方が楽だと思うが、やればできるのか。

マラ岩上部は、夕方に日が当たるのかと思っていたが、これは記憶違いで午前から昼過ぎまで日が当たっている。そして夕方は日陰に。この時期にレギュラーやイレギュラー、ブルースパワーあたりを本気トライするなら、夕方の方がよさそう。

次に下部で「届け手の平(10c)」。ヌンチャクはM井氏たちのものがかかっており、それを借りた。スラブの10cと言えば、かなり難しいだろうと思っていたが、想像以上に難しかった。
まず、ボルト3ピン目あたりが第一核心で、ここから上に進めない。
2トライして、2便とも3ピン目までだった。M君はここを見事に越えて、5ピン目の核心部まで進んだが、核心は越えられず敗退。O氏が3ピン目を左から迂回して(これは明らかに隣ルートだが)抜け、核心部を果敢にトライするも、越えられず。
自分も次便、とりあえず3ピン目は左迂回で抜け、さらにチョンボを交えて核心部へ。ルート名の由来となっているであろう大穴のスローパーを確認するが、手の平が届いたとしても、悪い! 登れるのかなあ?
その後もチョンボ交じりで一応トップアウトをして、ルートの全容を把握した。
3ピン目のあたりと、その上の核心部がかなりの難しさで、さらに最後まで気が抜けず、これで10cとは厳しい。
2年前に、同じく10cとグレーディングされている水晶岩の「アバタもエクボ」を登ったが、あちらは下部の核心を越えると上部は簡単で、それよりもこちらの方が厳しく感じた。
もっとも、今日は気温も高く岩も温まっており、スラブを登るコンディションとしては最悪。アバタを登ったときは9月末でかなり涼しい時だった。コンディションが変わればまた、違った印象を受けるかもしれない。

再び上部に戻って、「イレギュラー(10d)」。2010年に初めてトライして敗退、11年にはテン山でT.O。去年は触っていないので、3年越し、2年ぶりに触る課題。レギュラーと同じく、ホールドやムーブは完全に忘れているが、最後のスラブ部分で苦労した記憶はある。
マスタートライで、1ピン目はプリクリしてスタート。2ピン目をかけるのは簡単だが、ここから先がちょっと難しかった。テンテンでホールドを探りながら進み、4ピン目をかけてからは、ゴールまでノーテン。
10dのフェイスなら1撃、といきたいところだったが到底無理な感じ。しかし、2年前よりはスムーズに登れており、とくに2年前には核心だと思ったスラブが難なく突破できたので、これでよしとする。M君もトライし、5時半くらいになったので、薪を拾いながらテン場に戻る。

夜は焚き火を囲んで宴会。前日寝不足の割には10時半ぐらいまで飲んでいた。よく飲んで、よく燃やした。

●2日目

翌日は6時半くらいに起床。相変わらず喉が痛くて熱っぽく、体調は悪い。芝にもテントにも、結露がびっしりついてる。濡らしたくないものはテントにしまっておいたので、問題ないが。
空は昨日より晴れ渡り、今日も暑くなりそう。

朝食後、左岸スラブへ出発は8時半くらい。
アップルートの「トムと一緒」が埋まっていたので、S木氏のあと、いきなりブラック&ホワイトへ取り付く。去年触っていて核心が越えられなかった課題だ。
1ピン目をかけて2ピン目の下まではスムーズに進むも、非常にランナウトしている。2ピン目をかけるところの立ち込みで失敗したら、ほぼ間違いなくグランドフォールだ。高さは7、8メートルはあるし、下地が悪いので、運が良くても怪我はまぬがれないだろう。
そう考え出したら、恐怖感でいっぱいになり、動けなくなってしまった。

以前登ったとき、ここで怖かったという記憶がまったくないのは、ヌンチャクが掛かっていたからか? ヌンチャクがかかっていれば、いざというときはヌンチャクをつかめばなんとかなる。しかし、それができないマスターだと恐怖感がだいぶ違うのだろう。
とりあえず地面までクライムダウン。メンタルが弱すぎる。。。
そして2トライ目は、S木氏のカム(キャメ0.5と、メトリウスのオレンジ)を借りて登った。最後に立ち込むおにぎり上のフレークに入らないかと思ったが、隙間が細すぎて効かない。もうちょっと小さいカムじゃないと駄目だ。それでまたクライムダウン。

近くにいた、M井氏が、小さいカムを持っているというので借りて登った。リンクカムの一番小さいやつ。講習で来ていたガイドのガメラ菊池氏が見ていて「無駄無駄、あそこには入らないよ」と言われたが、ちょうど効くところがあり、一応セットできた。
実際フォールしたらどうなるかわからないが、それでも一応プロテクションがあるのとないのとでは、メンタル的な負担がだいぶ違う。立ち込みもスムーズにできて(別にこのムーブ自体はぜんぜん難しいわけではない)、核心部にたどり着いた。しかし次の、核心ムーブがまったくできない。ヌンチャクをつかみ、ボルトを踏んで超え、終了点まで。トップロープをセットして降りる。
S木氏、O氏、M君と、トップロープでトライするも、いずれも核心が越えられず。ガメラ講習が後ろで待っていたので、とりあえず譲る。

その後、M井氏がヌンかけしていた「雨がやんだら」(11b)を一瞬触るも、数匹の大きな蜂が旋回し始めたので、中断。だらだらと休憩する。
木陰で木漏れ日を受けながら横になっていると、とても気持ちいい。ガメラ講習を見ていると、ガメラ氏がいろいろアドバイスをして、講習生はみんなブラック&ホワイトの核心を抜けていく。「布を裂くように持つんだ」というアドバイスに、下から眺めている自分たちも、なんとなーく、わかったような、わからないような……?

もう1本の狙いであったジャーマンスープレックスには、M井氏たちが取り付いている。
体調が悪いこともあって、今日はこのまま終わりでもいいかなと思えてくるが、ガメラ講習が終りルートが開いたので、再びブラック&ホワイトにトライした。
今度はM君がマスターで登り、難なく核心部まで到着。メンタル強いなあ。それに、スラブの登り方がとても上手い。核心ムーブはできなかったもののチョンボで抜けて、終了点まで行ってもらい、トップロープをセットしてもらう。

みんなで順番にトップロープトライするも、核心はだれも抜けられず。
もう1時も過ぎて、帰りの渋滞を考慮すると、そろそろ上がりの時間だ。ラストの回収便を自分がやらせてもらうことになった。
かなり疲れていたこともあり、パスしてもいいかと思ったのだが、10bのルートで全員が核心越えられずというのではちょっと寂しいと思い、気力を振り絞ってトライ。
すると、数度のテンションの後、ようやく核心部のムーブができた!RPはしてないものの、できなかったムーブができるようになるというのは、気分がいい。トライしてよかった。

核心を抜けた上部は簡単で、本当に1箇所の核心だけの課題だ。
ポイントは、左手ガストンをしっかり握って、右手はバランスを取る程度(右手で引き上げない)にしつつ、重心を正面に倒れるような感じで置くこと。ガストンを意識するあまり、そちらに重心をかけすぎると、体がまわってしまう。また、左足は極小カチなのだが、エッジングというより、まっすぐにベタっと置いてスメッジング(スメア+エッジング)みたいな感覚を意識したら、良かった。

花崗岩スラブは、やってないとすぐにできなくなる。花崗岩スラブを登るのが、小川山に行く年に1、2回のときだけじゃ、そりゃ上達しないのも無理ないか。

2時くらいに撤収。テントを片付け、シャワーを浴びて(100円3分のシャワーをS木氏とシェアしたが、十分使えた)帰路へ。渋滞を調べると、中央道は小仏あたりが20kmということで、普段の週末と変わらない。渋滞箇所ではいったん下道に降りてパスして、また乗り直した。調布ICで降り、食事をしてから、吉祥寺駅まで送ってもらい、電車で帰宅。着いたのは10時くらいだった。

・レギュラー:○ 再登
・イレギュラー:×
・届け手の平:×××
・ブラック&ホワイト・×××

●シューズメモ
シューズは初代ソリューション(オニキス改)と、おろしたての3代目ソリューション(いずれもサイズ37)。温まってる岩とはいえ、オニキスのフリクションは、やっぱりいまいちで、おろしたての3代目ソリューションの方がフリクションはいい。あとは、ソールが多く残っている方が、やはりフリクションが効くのだろう。花崗岩スラブの本気トライには、おろしたてシューズが欲しい。
しかし、足に体重がかかるスラブでは、かなり足(土踏まずのあたり)が痛くなる。痛いので、テンション掛かったときには、ちょっと脱いだりしていた。同じシューズで、河又あたりで登っているときは、そんな感じもなかったので、やっぱりスラブでは足にかかる負担が大きいからだろう。
以前は、暑いときには靴の内部でヌメってずれる感じがしたが、それもなかったのは、洗ったからかな。あるいは、足が大きく(太く)なっているのかもしれない。ソリューションは、もうハーフ落とした36.5を1足買ってももいいかと思っていたが、それだとかなり痛いだろう。

●服装メモ
昼間は半T+七部丈パンツ(本当はロングの方が安全だが、暑くて耐えられず)。夜は、ジオラインMW+WB、薄手ロングパンツ。寝袋はモンベル#3だが、掛け布団のようにかけただけ。これで夜は暑すぎるくらいだった。
ブラック&ホワイトと登るとき、暑くて上裸になったので、タンクトップを持っていけばよかった。
by seeyou44 | 2013-08-18 23:59 | 外岩クライミング


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