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おなかがすいたら登れない(旧)

ネコは空飛び、犬は登る

水曜日のシンデレラ、レギュラー(外15、小川山1)

梅雨明けの3連休だが、W君が月曜は仕事ということで、土日のみでどこかで登ろうかと。
最近は疲れやすい自分も、この暑い中で3日間の行動よりは2日間行動+1日オフでちょうどいい感じ。歳ですね。
日程はそれでいいとして、問題はどこにいくか。普通なら小川山だろうが、3連休ということで、中央高速の激しい渋滞が予想される。渋滞を避けるために奥武蔵方面、という案も検討したが、やはりこの暑さではクライミングを楽しむことは難しいだろう。それで、なんとか渋滞を避ける工夫をして小川山に、ということになった。



●1日目
行きの渋滞予想では、朝7時がピークで相模湖を先頭に30kmということ。それでその先から高速に乗ろうと、自分は始発の次の電車に乗り、6時45分に上野原駅で降り、そこでW君の車に拾ってもらい、上野原ICから高速へ。この作戦が成功し、渋滞にはまったくはまらず。途中、釈迦堂SAで朝食(釈迦堂ラーメン、なかなか美味かった)をとり、ゆっくり向かったが、9時にはナナーズに着いた。ちょうど開店時間で、買い物を済ませて、廻り目平キャンプ場へ。ウワサには聞いていたが、キャンプ場内外の道路は舗装整備され、綺麗になっていた。
上の駐車場に車を停め、まずはテント設営。近くにいた、これから帰るというおじさんに、いい場所を譲ってもらえた。なかなか面白いおじさんで、大日広場に常設テント(?)を設営していて「自分は東京から来てるけど、小川山ローカルだ」などと言っていた。

設営も済んで、さて、どこに行こうかと相談したが、シーズン最初の小川山だし、まずは花崗岩スラブの感覚を思い出さなければ、ということで、スラブ状岸壁に行くことにした。林道からの入り口を間違えて、ガマスラブに行ってしまうというハプニングはあったものの、なんとか到着。2つの大きなケルンが左右にある入り口はガマスラブに向かう道で、その先が、スラブ状岸壁に直接上れる道だった。

・ウルトラセブン(5.7):アップ。シーズン最初の花崗岩スラブは緊張する。ところで、ルート名はこれであってるかどうか、あまり自信はない。ここのルートは、どうもよくわからない。もしかしたら隣かも?

・高い窓(10b):TO。これも、上部ははっきりわかるのだが、下部が左上と右下の2箇所、どちらからも登れる感じで、どっちが正しい取り付きなのか、よくわからないルート。左上が自然なのだけど、トポでは4本あるはずの株ボルトが2本しかない。右下だと、トポとボルトの数は合うが、その右のルートのボルトがおかしくなる。いずれにしても、核心は上部フェイスのカンテで、なかなか難しかった。何度もテンションして、ようやくトップアウト。でも面白かった。機会があればまたやりたい。

・水曜日のシンデレラ(11a):×××○
去年の8月に触って、トップアウトだけはしていたルート。バラエティに富んだ内容で、長さもあり、充実感が高い。

1便目は、ホールド確認。取り付きは左右があるが、左だと「10+」とトポにあり、右から。1本目のボルトが高いので、途中のフレークにキャメをかませておいたが、なくても大丈夫だろう。最初のトラバースは、以前のときはとても難しく感じたが、今回は問題なく渡れた。ちなみに、シューズはソリューション。トラバースの後、フェイスの下部は、左手ガストン、右手ホールドのところにヒールをかけてから、右手を上のアンダーホールドに。その上の、レイバックからスラブに乗っ越すところが、足がよくわからずスメア気味で、力が要りそう。自分的には、ここが核心。最後は、トラバースの後、ちょっと右のクラック沿いにガバを伝って登る。レイバックに入るところがちょっと怪しいが、できないムーブは無さそう。しかし、日当たりがよく、暑い。降りてくると、汗ダラダラ。もちろん、手汗も出るので、1、2手ごとにチョークアップする感じだ。たまに雲が出て、日が翳るので、そのチャンスを待って登る感じ。

2便目。1便目の感触が良かったので、もしかしたらここでRPできるかも、と思って取り付く。下部トラバースまではスムーズにこなせたが、フェイスの下部、ヒールをかけて、右手アンダーを取りに行くところで、ヒールが外れて不意落ち。左足の膝裏の下あたりをロープにこすって、大きなロープバーンを作ってしまった。腕にも軽く。
ここはちょうどロープが足の下で斜めになっているところなので、これはちょっと避けられない感じだ。落ちないようにするしかない。暑いので短パンを履いていたのがよくなかった。暑くても七分丈パンツにしておいた方がいい。意気消沈して、そのまま降ろしてもらう。

3便目。先ほど落ちたところも慎重にこなしてクリア。今度こそいけるだろうと思ったが、レイバックに入る前のところで、バランスを崩してフォール。これは悔しかった。思わず「くそー」と叫ぶ。とりあえず、その部分のムーブを練習してから、降りる。

4便目。2回続けてのフォールで、すっかりネガティブなイメージに囚われてしまった。びびっていた、と言ってもいい。もう今日は登れないかも…。腕はパンプしたりヨレたりしていないが、暑いので全身的な疲労も大きい。しかし、今日登れなかったら、次はいつになるかわからない。「ムーブはできてる、あとはつなぐだけだ」と思い、無理矢理気力を奮い立たせて、取り付く。下部はスムーズにこなして、アンダーも取って、不安なレイバックへ。足がはっきりしないので、自然と腕に力が入る。持ちにくい右手をなんとかかけて、左手でサイドガバをつかんだ。後は、うりゃーとかなんとか、叫びながら体を持ち上げる。やった、上がれた!あとは慎重にトラバースをこなして、終了点にクリップ。
1年越しの宿題が片付いた。
登れてみると、スラブあり、フェイスムーブありで、面白いルート。長いので充実感も高い。要所ごとに完全レストできるので、落ち着いてムーブをこなせれば登れる。11aのテストピースとしてとてもよい課題だと思う。

ビールで乾杯して、鳥鍋+うどんで夕食。
昼間はあんなに暑かったのに、夜になるとそこそこ涼しい。焚き火を楽しんで、9時に就寝。
ロープバーンの傷は、サランラップでもあれば巻けばよかったが(湿潤療法)、なにもないので、ちょっとだけ流水で冷やして、あとはほうっておいた。から、体液がじくじくと染み出してきて、寝袋にくっつく。寝返りをうつたびに、べりっと剥がれて、痛かった。

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水曜日のシンデレラ、最初のトラバースの前。この後にフォールした。

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水曜日のシンデレラ、完登後。

●2日目
4時過ぎには鳥の鳴き声で一度目が覚めた。再び寝たが、5時半くらいには明るくて眠れなくなる。仕方ないので、テントから這い出した。
朝の空気が気持ちいい。
が。不快なものが、、、それはハエ。
なぜか今回の小川山は、非常にハエが多かった。まずキャンプ場ではぶんぶんと周りを飛び回り、ちょっと食べ物を置いておくと、すぐに何匹もたかってくる。朝飯を食べてる最中にも、顔の周りを何匹ものハエが飛び回り、うるさいことこの上ない。油断すると、手に持っている食事にもすぐとまってくる。
昨日の夜はこんなにいなかったように思ったが、それは単に暗くて見えなかっただけかもしれないし、焚き火の煙があったせいかもしれない。焚き火もなく、明るい朝になったら急に増えたように感じた。
さらに、岩場でも、ハエ、蜂、アブなどが大量に発生していて、クライミング中にホールドをつかんだらハエごとつかんでしまうこともあったし、休憩中に横になって一眠り、と思っても、全身に虫がたかってくるので、落ち着いて眠れない。
人の少ない姉岩で登っていたとき、暑いので上半身裸で登っていたら、ビレイをしていたW君が「背中にでっかいアブみたいのがとまっている」という、ぎょえーと思ったが、ちょうどレストポイントの近くだったので、片手でホールドをつかみながら、片手で背中をまさぐる、しかし「ちょっと届いてない。まだ止まってる」。ムーブを起こしてる最中に刺されたりしたらたまらないから、ハーネスにかけてあったスリングで、背中をビシビシ叩くセルフSMプレイ。で、ようやくいなくなった。
ちなみに、虫除けスプレーはかけていたが、ハエにはあまり効果はないようだ。蚊はいなかったように思う。
去年の8月に来たときも、おととしも、こんなに虫の襲来を受けることは無かったと思うが、今年は特別なのだろうか?

ハエと戦いながらの朝食を済ませ、コーヒーを飲んでから、本日の目標であるマラ岩へ。
昨年同様、ちょっと手前から登ってしまったが、なんとか着いた。8時半くらいだが、妹岩にも、マラ岩にも、だれもいない。一番乗りだった。
でもすぐに人が集まりだし、後には、ak2さんグループも来ており、ちょっと挨拶した。

来る前はイレギュラー(10d)をやりたいな、と思っていたが、実際に目の前にしてみると、とても難しそうに見える。やっぱり、まずはレギュラー(10c)からやるのが順当かな、と弱気の虫がわいてくる。

・川上小唄(5.8):再登。アップ。トポでは上部はトラバースすることになっているが、それは省略。上部まででおしまいにした。

・レギュラー(10c):×○
1便目。川上小唄を登っている間に、他の人が来て登っていた。その方がかけたヌンチャクを借りてのトライ。1本目は後ろの岩にバックステップして登れば届く。ホールド、ライン取りがよくわからないところがあったりして、テンションをかけながらトップアウト。最後のスラブが悪くて、直上せずに左に逃げて、カンテをつかんだが、ギリギリだった。自分的には最後が核心。そして、暑さも。
左に逃げるのがどうなのかと思って、最初に登っている人に聞いたら、それでも問題ない、ということだったので、問題ないのだろう。

2便目。太陽が雲に隠れた隙を狙ってスタート。ホールドがわかってしまえば、ムーブで難しいところは無い。スムーズに登って「まあ10cなりだね…」というのは、最後のスラブまで。このスラブが、ショッパイ。幸い、最後のムーブを起こす地点には、1センチくらいの棚があって、足はそこに比較的安定して乗せられるので、行きつ戻りつして、探ることはできる。しかし、何度もそうしてると、暑いので手はどんどんヌメルし、足はプルプルして、パンプしてくる。さっきはできた、左上してカンテをつかむムーブがなぜかできない。よっぽど「テンション」と叫ぼうかと思ったが、また下から登り直すのが嫌で、思い切って直上する。じりじり登って、なんとか終了点に届く位置まで来た。本当はさらに上のカンテをつかむのが正しいのかも知れないが、もう限界で、スラブに張り付いたままの微妙な姿勢で、終了点にクリップ。ようやく「テンション」と叫ぶ。最後はちょっと微妙だが、一応RPということで。
降りてきて気付いたら、ツメから出血していた。
この時点で、自分としては出し切っちゃった感じで、もう“本日閉店”という雰囲気だったが、まだ降りるには早いので、簡単なルートを登ろうと、姉岩へ。

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ツメで登って出血。

・うさぎと踊る女(10a):OS。ボルト3本の短いルート。3本目の後、右に逃げたら簡単だったので、直上するのが正解なのかもしれない。

・た・タんか(10a):×○。こちらはボルト2本。ルートどりが難しい。最初右から行ったら、行き詰って敗退。10aでそんなに難しいわけないと、左から行ったら登れた。ボルダームーブでなかなか面白かった。

・卒業試験(10b):再登。1年ぶりに触ったが、スムーズに登れた。グレードの割には登りがいのある、いいルートだと思う。

本数はあまり出してないが、2日連続だし、レギュラーで出し切ってしまったので、もう満腹。帰りの渋滞を見越して、3時過ぎごろ下山開始。4時過ぎにキャンプ場を出発。
八王子まで5時間以上、の表示に恐れをなし、渋滞の始まる手前、大月ICで下道へ。自分は大月駅で降ろしてもらい、電車で帰る。八王子で中央特快に乗れて、9時には御茶ノ水に着いたので、まあ早かった方だろう。

●まとめ
・水曜日のシンデレラ登れて嬉しい。
・ハエが多くて閉口。虫除け対策はかなり万全にした方がいい。
・レギュラーは最後のスラブが核心。そこまでは快適。
・次回はイレギュラーをやっつけたい。
・シューズは、ほぼすべてソリューション。まったく不安はなかった。
・短パンはやめた方がいい。七分丈パンツがいいだろう。

●忘れ物情報
マラ岩に、黄色のシューズ袋に入った、ミウラーウーマンの忘れ物があったので、金峰山荘に届けておきました。


水曜日のシンデレラ、レギュラー(外15、小川山1)_d0246941_0333275.jpg
帰ってから。ロープバーンの跡。
by seeyou44 | 2011-07-19 22:27 | 外岩クライミング


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