おなかがすいたら登れない(旧)

ネコは空飛び、犬は登る

「アイロンヘッド」RP!/CM5、外2、城ヶ崎・シーサイド1

土日一泊、城ケ崎。Kノさんとのふたり旅。
電車はいつもの小田急線。宿は馴染みの大重丸。
今日の狙いは「アイロンヘッド」。4トライして未解決。
せめてムーブを解決し、トップアウトを果たしたい。

伊豆の紀行文らしく(?)五七調で綴ってみようと思ったが、そもそも紀行文ではなかった。
朝、東海道線が事故で遅れるハプニングがあり、小田原と熱海で長時間待たされる。伊豆高原駅への到着は0952。
懸垂下降の取り付き地点は2パーティが先着しており、岩場へ降りたのは10時半くらい。3連休の初日とあって、シーサイドはそこそこ混雑していた。
「名探偵登場」でアップ。Kノさんの「NEW」(11a)トライのあと、「アイロンヘッド」を見に行くが、ヌンチャクは掛かっていない。
まあいい。アップがてら、テンテンで行こう。どこにどの長さのヌンチャクを使えばいいのかは、前回でだいたいわかったから、そんなには苦労しないはず。それに、他人のヌンチャクよりも自分のヌンチャクの方が安心でもある。安心して落ちられるというのは、大切なことだ。

1ピン目は120センチスリングで作ったの長ヌン(60センチ)をかける。右壁は相変わらずの染み出し。ここは常に染み出しているようだが、使うホールドがわかれば問題ない。それより、チムニーでヘルメットが挟まって“ヘッドジャム”が決まってしまいそうになる方が、問題だ。なんとか頭を振って外に出る。ロープの流れを考えて、2ピン目を掛けたら、1ピン目を外す。3ピン目も問題ない。
だが、4ピン目のヌン掛けがけっこう遠くてしんどい。案の定、掛けられずにフォール。このフォールは、ちょっと怖い。あわてて登り返したら、ロープとロープの間に手を挟んで、傷めてしまった。あせらずに、まずはビレイヤーに適切な位置に動いてもらってから登り返した方がよかった。要注意。しばし休んでもう一度4ピン。今度はうまく掛けられた。その上は、ヌン掛けが難しいところはないので一安心。

前回来た後、自分が撮った他の人の動画や、Youtubeにアップされているムービーを見て、ムーブの研究をしてきた。
6ピン目前後のムーブもやや悪く、前回は苦労したが、事前研究のかいあり、今日は難なく越えられた。ここが越えられれば、ノーハンドレストできるので、前半終了、という感じになる。
上部のニーバーレストのポイントも、初めて確認できた。なるほど、ニーバーを決めるのと決めないのとでは、だいぶ違う。これは楽だ。
さらに、最終クリップをした後の核心部も、事前研究のおかげで、初めて棚ガバを持てた。そこから先の「激落ちと骨折」で有名なポイントは、未知の領域。ホールドがよくわからないので、迷うことなく終了点のチェーンをつかみ、クリップ。心配だった激落ちはなかった。
そのパートを、トップロープ状態で確認してみると、ホールドがわかってしまえば、ムーブは別に難しくないし、棚ガバでレストもできる。激落ちと骨折の話ばかり聞いていたので、よほど悪いと思い込んでいたのだが、正直、拍子抜けだった。棚ガバを取るまでが核心ということか。腕がヨレヨレだったらどうなるかわからないが、たぶん問題ないだろう。

ヌン掛け便で、初めてのトップアウト。これでようやくルートの全容が解明できた。ムーブができないところはない。よし!あとは登るだけ、だ。

2トライ目。登る気まんまんである。
中間のノーハンドレストポイントまで、初めて、しかし当然のようにつながった。かなり腕が張っている。「もういいだろう」と早る気持ちを抑え、声を出して200までの数を数える。それで、5分ほどレストしただろうか? 動き出す。上部でも、レストできるポイントでは、入念にレスト。最終クリップを掛け、いったん降りてニーバーレストのあと、ビレイヤーに声をかけ、核心部に突入。
だが、張ってきた腕で、早く登りたいと気持ちが焦っていたのだろう、少し悪い姿勢のまま出してしまった。右手がガバ穴に届かない。もう一度出し直すが、やはり届かない。やばい、と思ってもう一度出したところで、フォール。
情けない!
確かに、ここも遠いことは遠いのだが、今までそんなに苦労はしなかった。やはり、初めてここまでつなげてきて、ヨレで体が伸びきらなかったのかもしれない。 情けないやら、悔しいやら。「俺のバカ!」と自分を毒づいた。
下まで降りて、腕はかなり張ってヨレているし気持ちは凹んでいるが、時間はまだ2時だ。もう1便出すチャンスはあるだろう。

しかし、この長いルートに全身全霊を込めてトライしたので、ぐったり疲れてしまった。ビレイをしたり、横になって休んだりして、4時近くになり、腕は回復したが、全身の疲労感はぬぐえない。
半信半疑で3トライ目を開始。少しでも楽に登りたいので、ヘルメットを脱いだ。
下部はまったく淀みなく進む。中間部のノーハンドレストポイントに着いたとき、2トライ目より腕が張っていない。ムーブが精緻化されて楽に登れからだろう。それでも、腕を振ったり、反らせたり、グーパーしたりしながら、200までゆっくり数えてレスト。腕は9割くらいの状態まで回復したように思う。
上部では、あまりレストを入れる必要はなかった。ニーバーレストのポイントでも、左右の腕を交互に2、3回ほどシェイクしただけ。
そして核心部に突入。
まず、先ほど落ちた遠い右手穴へ。右足で良いカチが踏めるが、落ち着いて左足も上げておくのがポイント。思い切って、見えないガバ穴へ手を伸ばし、しっかりつかむ。今度は、これまた遠い左手ホールド。ここは思わず気合の声が出た。
下からのガンバコールに後押しされながら、素早く足を上げ、棚ガバ。取れた! あとは、朝に練習したムーブを繰り返すだけ。問題なし。棚にしっかり立ち上がって、上部のごちゃごちゃしている岩を保持してから、終了点にクリップ。レッドポイント。
こみ上げる嬉しさと満足感とに浸りながら、回収をして降りた。

長時間のビレイにお付き合いいただいたKノさん、ありがとうございました!

撤収は5時過ぎ。登り返しの待ちは20分くらい。今日は温泉にはいかず、大重丸で風呂。そして夕食を食べた後はもう眠くて、8時には布団に入った。


●「アイロンヘッド」(12a)ルート雑感
すっかり記憶から抜け落ちてしまった1年前のお試しトライを別にすれば、今回、2ピン敗退の初トライを含めても、3日7トライで登れたことになる。上部のゴール直下に至っては、今日初めて触り、2トライ目。案外、少ないトライ数だった。
自分が登った12aの中では、比較的登りやすいルートだと感じた。全体的にムーブは易しいし、中間部で腕を完全に回復できることが大きい。

ルートの特徴を一口で言えば、充実感満点!
かなり被った長い前傾壁をガバでぐいぐい登るから、「登ったー」という充実感、満足感が高い。ポカポカ陽気のなか、レストポイントで後ろを振り返ると、大海原に舞う波しぶきと浜千鳥、水平線に浮かぶ漁船。こんな絶景のなかでクライミングできることが、本当に楽しい。
3ピン目まではやや細かくてバランシーなところもあるが、そこから上はほぼガバだけと言ってよく、レストポイントもたくさんある。ヌンチャクが掛かっていれば怖いところもないので、とても気持ちよく登れる(マスターだと、4ピン目が掛けにくくて少し怖い)。

そして、「激落ちと骨折」で有名なゴール下は、最終クリップの直後からガバ棚を取るまでが、ややホールドが遠く、またちょっとトリッキーなムーブで、初見だと迷いやすいが、ここで落ちても大落ちはしない。
また、ガバ棚を取ったあとは、たしかに少しランナウト気味だが、小レストできるし、ムーブも簡単なので、落ち着いて登れば大丈夫。
なお、いろいろな人のブログなどでの情報によると、このルートはガバ棚に完全に立ち上がってからクリップして完登(終了点に、長ヌンを垂らして下の棚ガバからクリップするのはNG)、ということらしいが、たしかにその方が自然だし、満足感が高い。限定とまではされていないが、そうした方が良いだろう。

中間部に、ノーハンドレストできるポイントがあり、ルートが完全に「前半、後半」に分かれてしまうのは、人によっては興ざめだと思うかもしれない。自分もそう思わないことはないが、このレストポイントがなければ、たぶん登れなかった。
だが、強い人が登るのを見ていると、だれもこのレストポイントには入らない。使わないで登れば、より充実するだろう。いずれ、それくらい強くなりたい。


●プロテクション、ビレイの注意
どっかぶりで長いルートなので、ロープの流れが悪くなりやすい。5ピン目までは、普通の17センチスリングのヌンチャク(ペツルの中間の長さ)だと、かなり岩にロープがこすれる。上部でかなりロープが重くなるだろう。
ロープの流れを考えて、2~4ピン目は2本連結した超長ヌン(40~50センチくらい)、5ピン目は長ヌン(スリング24センチ)にした。
また、2ピン目をクリップした後、1ピン目は外した方がいい(超長ヌンにしておくと外しやすい)。これは、ホールドがわかれば安定した姿勢で外れす。ただ、外した場合、3ピン目が掛けられずに落ちたとき、万一、2ピン目のビナからロープが外れたりするとクリティカルだ。普通は大丈夫だろうが、万一ということはあるし、そう考えること自体が精神的プレッシャーになる。ムーブに自信がなければ、環付きにするか、2枚掛けにした方がいいだろう(このルートに限らないことだが)。

なお、終了点直下は、ボルトが斜め下になるので、ぴったんこビレイだと、落ちた時に振られて壁にぶつかる可能性があるが、ビレイヤーがロープを流すか、たるませておくか、あるいは思い切ってジャンプすれば大丈夫。最初からたるませ気味にしておくのが、簡単で良いと思う。落ちた時にロープを引っ張ることだけは、絶対にしてはいけない。


●気温、服装メモ
前回同様、暖かかった。測っていないが20度くらいだろう。午前中が特に暖かくて、タンクトップ。日向にいると暑い。昼寝をするなら日陰がいい。夕方は少し涼しくなったので半T。レスト時はカッパを羽織った。ボトムは迷ったが厚トレッキングパンツにした。やっぱりちょっと暑かった。
前回は高気温を予想せずにカップうどんを用意してしまい、後悔した。今回はコールドドリンク+パン、おにぎり。荷物にもなるので、バーナー、コッヘルは持ってこなかった。
シューズは、ジム用にしていたソリューション2号。他のソリューションと同じサイズなのに、なぜか他よりゆるいので、長いルートでも足が痛くならなくてちょうどいい。問題なし。
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by seeyou44 | 2016-01-11 09:49 | 外岩クライミング | Comments(2)
Commented by tsuyoshi74 at 2016-01-24 22:47 x
ついにアイロンをトライしちゃいました。

最後の棚ガバからのちょっと外形カチが滑っていて、レストもままならず・・・あと1手が出ませんでした(形状とムーブ確認不足)。
最後の最後のあのカチで滑ってると精神的ダメージが大きいですね~。

このルートをすらすらと登れるようになりたいですね。
ちょうど鳳来の卒業みたいな感じ(卒業よりは易しいですが)で。
Commented by seeyou44 at 2016-01-26 16:59
ツヨポンさん、ムービー見ました。惜しかったですよね!やっぱり最後はヨレてるので、ムーブを作っておかないと厳しいですね。棚ガバで左手をラップっぽく持つと少しレストできます。がんばってください!


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