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おなかがすいたら登れない(旧)

ネコは空飛び、犬は登る

クライミングメモ63(外13、河又11)ディレッティシマ・ドラゴン、核心ムーブの考察

20日土曜。
朝7時に阿佐ヶ谷出発。青梅街道が少し混んでいて、団子屋到着は9時くらい。
今日のコウモリ岩は、けっこうな盛況。しかし、いきのいいやつでアップして、シュテファンに移動したら、そこは我々だけの世界。講習で来ていたガメラ菊地さんが一回ちょっと見に来ただけで、あとはもうだれも来なかった。

天気予報では気温が低く、夜から雨ということだったが、予報どおりに終日気温が上がらない。北面になるシュテファンは、岩がとても冷たい。
最近仕事がやや忙しくて、疲れがたまっているせいもあるのか、体調がいまひとつ。
昨晩、早めに寝ようと思って早めに酒を飲んだのが、逆効果だったかもしれない。焼酎お湯割り3杯しか飲んでないんだけどなあ。。。たしかに12時くらいには眠りについたが、なんだか眠りが浅かった。体が重い。
酒は飲まないで、睡眠時間が短いほうがいいかもしれない。

さて、ディレッティシマドラゴンだが、まずは裏から回って、Y氏が懸垂で降りながらヌンチャクをかける。自分も懸垂で降りて、ホールドの感触をたしかめておく。

懸垂の支点は上部の木に作ったが、ここから終了点まで降り、終了点に自分のヌンチャクをかけて、TRをセットしようと思ったが、懸垂から移る作業がややこしいので(実際はそうでもないが)やめた。
よく考えたら、支点の木から終了点はすぐ近くなので、木を支点にして少しロアーダウンして、終了点でロープをかけかえればよかった。
これなら結び替えがないので、懸垂から移るよりは簡単だ。

1便目リードで。しかし下部のムーブがうまくこなせず、2本目をかける前に落ちる。岩が冷たいことに加えて、ソリューション1号(オニキス改)を履いていたせいか、なんだかとても足がすべる気がする。
あきらめて一度降りる。
S氏とY氏でもう1回裏に回り、木にトップロープセット。
Y氏がTRトライして、ムーブを確認する。
続いて自分もTRトライ。今度はソリューション2号(HF改)を履いたら、やっぱりフリクションはいい。

(以下、核心ムーブについての解説がありますので、閲覧ご注意ください。)



クライミングメモ63(外13、河又11)ディレッティシマ・ドラゴン、核心ムーブの考察_d0252022_1524201.jpg
↑右回りルート

クライミングメモ63(外13、河又11)ディレッティシマ・ドラゴン、核心ムーブの考察_d0252022_1524286.jpg
↑ディレッティシマ?ルート

クライミングメモ63(外13、河又11)ディレッティシマ・ドラゴン、核心ムーブの考察_d0252022_15243710.jpg
↑重ねてみると、、、

●「ディレッティシマ」なムーブ研究
核心の、ボルト6本目付近だが、前回はボルトの右側から抜けるムーブでトップアウトした。
しかし、自分はこのムーブがいまひとつ釈然としなかった。そこで、今回は別ムーブを検討した。

赤丸をつけた写真が、前回のムーブで使ったホールド(手順)。
緑丸をつけた写真が、今回検討したムーブのホールド(手順)。

ハングの下のAあたりにある左手穴ホールドAから、かかりのいいカチのBを右手で取り、かかりのいい穴ホールドCを左手で取る。
その後、右にある小ガバDを取り、Eのピンチカチを左手、Fのカチを右手、そしてG、H、Iあたりのガバをつないで終了点、というムーブだ。

しかしこの場合、D、F、Hあたりが、どうも右に行き過ぎている気がして、気になっていた。体が完全に6本目ボルトの横を通ることになるし、6本目のヌンチャクへのクリップが、とても不自然な位置になる。
Dのミニガバ、Fのカチから、左手をすごく伸ばして、あるいは、Gあたりのガバを取ってからの腰クリップ、になるだろう。これがすごく不自然なのだ。
もし初登者が赤丸のルートで登らせたいのなら、6本目のボルトはもっと右に打つのが普通だと思う。
また、6本目のボルトのほぼ真下にある、まあまあかかる棚カチ(緑丸をつけた写真のE)を、まったく使わないで登ることになるのも、釈然としない。

そして、このルート取りだと、緑丸Eの、チョークがいっぱいついている棚カチをまったく使わないということ。このホールドは6本目のほぼ真下であり、ここを使わないのは、「ルート名から考えて」釈然としない。

「ディレッティシマ・ドラゴン」の「ディレッティシマ」は、イタリア語の「Direttissima」である(ドラゴンは英語だろ!というツッコミを入れたいが……)。その意味を辞書にあたると「登山で、岩壁や氷壁を山頂に向かって直線的に登ろうとすること」とある。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/150529/m0u/

赤丸ルートは、普通に見ると「迂回ルート」という感じで、「ディレッティシマ」という感じがしない。
いいホールドがないならともかく、ボルトの真下にかかりのいいホールド緑Eがあるのに、それを使わずに登るのでは、ルート名との齟齬が大きすぎるのではないだろうか。

(もっとも、D、F、Hあたりは、右のリクルートドラゴンよりは、ディレッティシマに近い。また、やや凹角になった、いわゆる「岩の弱点」を突いていることから、弱点主義の視点からは、むしろこちらの方が自然だろう、と思われるかもしれない。)

そんなわけで、今回はTRで緑丸のムーブを試した。
右手Bから、Cを左手、クロスでDの穴に右手(あるいはDに左手→Cに右手でも)、それから左手でEの棚カチ。ここまではそんなに悪くない感じ。しかし、そのあと、右手でFのピンチカチを取るのが遠い!
足がはっきりしないので、体が上がらない。
結局ムーブが見つからないまま、右回りでトップアウトだけ。

とちゅう、右の藤娘(10c)を、ワンテン(恥)で登り、一休みしていると3時くらいから雨が降り出してくる。すぐにやむかと思っていたら、どんどん本降りになってきた。
3便目は小雨の中TR。ハングしたまではつながったが、そこから先のムーブは解決せず。
4便目、指はヨレるし雨は強くなってくるしで、回収だけという感じ。

帰りも道はやや混んでいて、阿佐ヶ谷に着いたのは8時くらい。
いつもの銭湯で汗を流し、なんだかとても疲れていて酒を飲む気にもならず、飯だけ食って帰り、暖かいコーヒーを飲んでから寝た。


東京の予想最高気温は12度。
出るときは、ジオラインのMW、マイクロフリース、ゴアカッパ。ボトムは厚パンツ。念のため、ナノパフを持った。登るときはジオラインに半T重ね着。ちょっと寒いが登っていれば暑くなるのでちょうどいい。ビレイのときはフリースだと脱ぎ着しにくいので、ナノパフを着た。持って行ってよかった。小雨が振り出してからは、ナノパフの上にカッパ。風呂から上がって帰りはフリースのナノパフ着てちょうどいい感じ。冬みたいだった。
by seeyou44 | 2013-04-21 15:25 | 外岩クライミング


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